恋は盲目、愛は永遠
私は両目を見開いて、俊也さんを見た。
そんな私を見た俊也さんは、クスクス笑っていた。

「やっぱ唯子おもしれー。可愛いし。鈴太郎さんの妻にしとくにはもったいない。親戚づきあいだって?冗談やめろよ。俺、唯子とはその程度のつき合いで終わりたくない」
「ぃや・・・離して!」
「俺のほうが年近いし、話も合うって。それに俺はもっと唯子を自由にさせてやるよ」
「私・・・私は物じゃない!私のことを何も考えもせずに、物々交換するような言い方するのはやめてください!」と私は言って、俊也さんの手をふりほどくと、客間から出て行った。

「また来るよ」という俊也さんの声が、背後から聞こえた。
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