恋は盲目、愛は永遠
アローン
「鈴太郎さんを許さない」と言った途端、私はおいおい泣き出した。

鈴太郎さんは「唯子・・・」とつぶやきながら、私を抱きしめようとした。
でも私は、鈴太郎さんの硬い胸板に手をついて、それ以上近づけさせないようにした。

抱きしめてなだめて終わり?
そう思ったら、怒りと悔しさがこみ上げてきた。

「あなたがしたことで、私は帰る場所も行くあてもなくなった。両親からも切り離された。私はもう・・・居場所がない・・・て。返してよ!私の居場所を返して!!」と私は叫びながら、鈴太郎さんの胸板を、グーでポカポカ叩いた。

鈴太郎さんは全く抵抗せず、私にされるがままだった。

< 222 / 298 >

この作品をシェア

pagetop