恋は盲目、愛は永遠

「では聞くが・・・本当は聞きたくないが。唯子は翼や直樹や俊也に触れられるのは嫌か。もし・・・キスされたら・・・」
「嫌です」

と硬い声で即答した自分に、私自身が一番ビックリした。

「あ、あっと、福島さんや倉田さんが、私の目のことを心配して、歩くときに腕を添えてくれることは、ありがたいと思うので、それは拒否しません。お二人はいつも親切心からそうしてくれると知ってますし。でも俊也さんには、親切心とその・・・下心のようなものを感じるので、拒否はできないけど嫌だと・・・ましてキスなんて！あ、福島さんと倉田さんにもそんなことをされるとすごく困るし！お二人の優しさを、二度と感じなくなる気がするし！」と一生懸命まくしたてる私に、鈴太郎さんは、「では唯子は、俊也に言い寄られても嬉しくはないんだな？」と、少し楽しんでいるような弾む声で聞いた。

「・・・全然。あの人に唯子と呼ばれるのも嫌です」
「なんだと」と言った鈴太郎さんから、とても冷たい空気を感じ始めた。