恋は盲目、愛は永遠

「確かにそうだな。だがいい加減、私も学ばなければいけない。唯子をこれ以上傷つけないためにも、唯子が嫌がることをしないよう、自分を抑えなければいけない。だが私は、唯子に対しては不器用だから、絶対、二度と傷つけないとは言いきれない。おまえを愛しているからこそ、周りが見えなくなってしまう。だからそのときは言ってほしい。平手打ちをしてでも止めてほしい。私に目を覚ませと怒鳴ってほしい」
「そ、そんな・・・」

「私には本音を言ってほしい。でなければ愛を育むことはできない」

確かに、鈴太郎さんの言うとおりだ。
自分の気持ちを隠してばかりで何も言わなければ、相手には何も伝わらない。

「鈴太郎さんには言ってもいいんですか？」
「もちろんだ。私はおまえの夫だぞ。そして唯子の居場所はここだ。この屋敷、というより私と共にいること。それは嫌か？」
「いや、というより、今の私にはそれしかないんですよね・・・」とつい本音を漏らしてしまった私は、いけないと思って口をつぐんだ。