恋は盲目、愛は永遠
「私だ」

はい。分かってますって。
夜の10時にかけてくることと、同じ音なのに尊大に聞こえるコール音は、坊ちゃんしかいませんって!
それとも「社長」のほうか。

「はい」
「電話中だったか。それとも来客中か」
「もう切ったんで大丈夫っす」
「そうか。悪いが緊急の仕事が入った。今倉田とそっちへ向かっている。10分で用意をしてくれ」
「え!うちへ迎えに来てくれてんすか?」
「通り道だからな」
「分かりました」と言ってスマホを切った俺は、急いでスーツに着替えて身支度を整え、下へ降りて行った。
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