恋は盲目、愛は永遠
「嫌ならSKインダストリーにコネ入社しなければよかったじゃないか。僻地へ支局を作ったのはそちらだろう?何せ私はなりたての社長だからな」
「なんで俺が異動しなきゃいけないんだよ!」
「私の妻に手を出そうとしたからだ。それ以外に何の理由が必要だ」

その理由、けっこう私情入ってますけど。坊ちゃん。

「とにかく俺は嫌だ!」
「そうか。ではおまえを解雇する。言っておくが、私は明日から出張で日本を発つ。屋敷や会社へ直談判に来ても私はいない。だからと言って唯子に会いに来るのは言語道断。おまえは金輪際私の屋敷へ出入りさせない。その旨は屋敷の者にも伝えてあるからな。外でも偶然でも、その姿を二度と唯子に見せるな。声も聞かせるな。万が一それが私の忠告を聞かなかった場合は、叔父上の家系を跡形もなく潰させてもらいます」
「な・・・」

「母様と唯子、どちらか選べと迫られれば、私は躊躇なく唯子を選ぶ」
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