恋は盲目、愛は永遠

「俊也さんのことっすよね？」
「それも一因だ」
「喧嘩をするというより、意見をぶつけ合った。そうではありませんか？坊ちゃま」
「・・・いい表現だ、直樹」
「喧嘩というのは、言葉と腕力で心身ともに傷つけ合うものです。意見をぶつけ合うこととは意味が大きく異なります。いくら仲が良いと言われている夫婦でも、意見がぶつかり合うときは必ずあります」
「そうっすよ、坊ちゃん。俺たちの両親だってしょっちゅうぶつかり合ってるっしょ？」
「まあ、そうだな」
「意見をぶつけ合うということは、お互い本音を出し合うことです。だからそれは夫婦の絆を深めていくための必要事項だと俺は思いますよ」
「くわぁ。いいこと言うじゃん、倉田っちぃ。で、坊ちゃん仲直りしたんすよね？これ重要っすよ？」
「した。と言えればいいが・・・少なくとも唯子は私と会話をしてくれるし、私を見てくれる・・・翼。直樹も。私の留守中、くれぐれも唯子のことを頼むぞ」

「かしこまりました」と俺たちはハモッて返事をした。