恋は盲目、愛は永遠
でも福島さんの元気がないのは、雰囲気で分かった。
それとなくつくため息。それも何度も。
自分も身に覚えがあるから、何かあったことは確かだ。
それなのに、私のために、その気持ちを隠し、押し殺して仕事に徹している福島さんが申し訳なくて、私にできることだったら何でもしたいと思った。

だから温室で、倉田さんと3人お茶を飲んでいたとき、思いきって聞いてみると、「最近できた彼女のことか」と、倉田さんが思いがけない発言をした。

え!福島さんに彼女がいる?
知らなかったからビックリしたけど、さっき倉田さんは「最近できた」と言ってたし。

でも・・・最初が肝心じゃない?

真っ先に思い浮かんだ言葉が、なぜかそれだった。
「経験上」というやつかしら。
しかも数少ない、というより、唯一の経験だし!

とにかく、その言葉は言わなかったけど、聞けば、福島さんはその彼女となかなか会う時間が取れないために悩んでいることが分かった。
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