恋は盲目、愛は永遠
小さい頃から視力が悪かった私は、他の感覚で視力の悪さを補っていた部分がある。
まわりの姿が見えにくい分、その場やそこにいる人を、雰囲気で察知する。
今まで穏やかだった人が、言葉や顔には出さなくても、その人を覆っている雰囲気が変わると、「あ、今は怒ってる」と分かるときもある。
きっと見えにくい分、そうやって自分なりに危険から回避する術を身につけていたんだろう。
もし私が全盲になったら、それらの感覚はもっと鋭くなるのかな。
そう思ったら、少し悲しくて、そして怖くなった。
鈴太郎さんが北欧の出張から戻った3日後、私の目の検査のために今度はアメリカへ行くことになっている。
実はこれが私の初海外旅行で。
パスポート・・・あ!
と思ったのは一瞬で、すでに手はずは整えてあるに違いないと確信した。
それより、北欧から戻って時差が抜けないうちに、アメリカ行きって・・・鈴太郎さんの体のほうが心配だ。
まさに大陸横断。世界を舞台に活躍する人。
明日の午後、鈴太郎さんは帰国する。
そして夕方には屋敷に戻ってくる。
そのときは玄関で「おかえりなさい」と言って出迎えよう。
まだ見えるうちに、鈴太郎さんの姿を脳裏に焼きつけておきたいから。
そしてまた自然に「愛してます」と言えるようになりたいから。
まわりの姿が見えにくい分、その場やそこにいる人を、雰囲気で察知する。
今まで穏やかだった人が、言葉や顔には出さなくても、その人を覆っている雰囲気が変わると、「あ、今は怒ってる」と分かるときもある。
きっと見えにくい分、そうやって自分なりに危険から回避する術を身につけていたんだろう。
もし私が全盲になったら、それらの感覚はもっと鋭くなるのかな。
そう思ったら、少し悲しくて、そして怖くなった。
鈴太郎さんが北欧の出張から戻った3日後、私の目の検査のために今度はアメリカへ行くことになっている。
実はこれが私の初海外旅行で。
パスポート・・・あ!
と思ったのは一瞬で、すでに手はずは整えてあるに違いないと確信した。
それより、北欧から戻って時差が抜けないうちに、アメリカ行きって・・・鈴太郎さんの体のほうが心配だ。
まさに大陸横断。世界を舞台に活躍する人。
明日の午後、鈴太郎さんは帰国する。
そして夕方には屋敷に戻ってくる。
そのときは玄関で「おかえりなさい」と言って出迎えよう。
まだ見えるうちに、鈴太郎さんの姿を脳裏に焼きつけておきたいから。
そしてまた自然に「愛してます」と言えるようになりたいから。