恋は盲目、愛は永遠
翌朝目を覚ますと、隣には鈴太郎さんがいた。

「おはよう、唯子」
「あ・・・おはようございます、鈴太郎さん」

つい嬉しくて、私は鈴太郎さんにすり寄った。

「視力はどうだ」
「・・・たぶん昨夜のままです」
「ということは、まだ見えているということだな?」
「はい」

鈴太郎さんは、「あと」より「まだ」の考え方だ。
だからそこに希望を見出せる。
私の気分も上がる。

「明後日まで待てるか」
「何をですか?」
「アメリカ行きだ。世界的権威の眼科医の診察アポを取ってある」

あぁそうか。
それで鈴太郎さんは、なかなかアポイントが取れなかったと言ってたのか。
鈴太郎さんなりの奔走に、私はただ感謝するばかりだった。
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