恋は盲目、愛は永遠
「王子レオは、ティアの心臓を一突きで刺し殺した数年後、妻を得た。政略結婚だな。結婚後二人の息子に恵まれはしたが、うちひとりは全盲として生まれ、もうひとりは戦争で若くして亡くなった。息子が亡くなった後、レオと王妃は後を追うように病死したと文献には書いてあった。レオ国王、そして王子の一人が戦争で亡くなった後、レオの全盲の息子が国王となったが、若すぎたんだろう、それから小国は傾き、滅亡し、現在はアイルランドの一部となっている。明日私たちは、ティアが暮らしていたと推測される森へ行くぞ」
「鈴太郎さんはそこまで調べていたんですか・・・?」
「当たり前だ。私は伊集院鈴太郎。唯子の夫だぞ」
「鈴太郎さん・・・!」と私は言うと、鈴太郎さんに抱きついた。

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