恋は盲目、愛は永遠
「ありがとう。鈴太郎さん、ありがとう・・・」
「私はできることをしたまでだ。だがこれが、現時点で唯一考えられる精神的な原因だ。正直に言うと、私はこれに賭けている」
「私・・・どうなるかは分からないけど、その森へ行ってみたいです。過去の私がどういう場所で暮らしていたのか、実際見て・・・感じてみたいです」
「そうか。それからのことはそのときに考えよう。大丈夫、この私がついている」
「はい、鈴太郎さん」と私は言うと、ニコッと微笑んだ。





翌朝、私たちは森へ行くため、山登りへ行くような格好をして出かけた。
ティアであった私が暮らしていた頃から数百年経った今、地図も地形も少々変わってしまっている。

でも森の一部はまだ残っていた。
そこにティアが暮らしていた名残でも感じることができたらいい。
私たちは車を降りて、森の中へ入った。

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