恋は盲目、愛は永遠
悲しかったのは、テオに臣下の裏切りがわかっていたこと。
国民と臣下の信頼が得られていない気持ちが、心の目を通してわかっていたことだ。
長い月日をかけて培われた王家と民との信頼を築くこと、その絆を保ち続けることが、いかに大変か。
実際王家の者になって初めてわかった。

そのときレオ様が、自らの愛を捨ててまでも国と民を選んだ気持ちが、テオとして生まれ変わった私は、少し理解できた。

私(テオ)は、国を滅ぼした罪を背負うため、そして民から信頼されなかったという絶望を抱え、自ら剣で心臓を一突きし、命を絶った。

父上、やはり私にはこのような大役はできませんでした。
自ら命を絶つ私を許してください・・・。
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