恋は盲目、愛は永遠
「どうしたの?」
「この近くに人が倒れてる」
「・・・えっ!」

それが本当のことなら大変だ!
そしてアンナはウソをついたことがない。
というより、妖精に「ウソをつく」という概念はない。

私は急いでコートを羽織り、帽子をかぶってブーツを履き、手袋をはめて外に出るしたくを済ませると小屋を出た。





「こっち・・・ほら、あそこ」
「あ・・・」

倒れているのは男の人だった。
首筋に手を当て、まだ脈があるのを確かめた私は、小屋に運ぶことにした。

倒れていた場所から小屋までそれほど距離がなかったのは、本当に助かった。
それでも、大の男ひとりを女の私がひとりで抱えて運ぶことはできず、結局引きずるように小屋まで連れて来てしまったことは、申し訳ないと思ったけど・・・。
そんな扱いをされたにもかかわらず、男が目を覚ますことはなかった。
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