恋は盲目、愛は永遠
「レンズの型番は・・・は?15分後?俺、聞き違ってる?うちの社長が”大至急”と言ってる・・・はいどうもーっ」と福島さんは言うと、スマホを切った。
そして「5分で持ってくるそうです」と鈴太郎さんに伝えた。

「でかした福島。それから言葉遣いには注意しろとあれほど言ってるだろ」
「いやぁ、さっきのは知り合いなんでー。つい馴れ馴れしくなっちゃってー」と言ってる福島さんの本当に”知り合い”なのかどうかは、大いなる疑問だ。

それからレンズが届くまでの間、私は鈴太郎さんと福島さんと一緒に話をしていた。

「あの、本当にすみません。私が使っているレンズは少し特殊なので、在庫があまりないんだと思います」
「そうなのか」
「でもあれ、かなり厚いっすよね」
「はい。本当はあれをかけても0.5なんですけど」
「うわマジ?!」
「もう少し度が強いのにはできないのか」
「そうすると、めがねが重過ぎるのか、鼻と耳が痛くなるし、頭も少々痛くなって・・・」
「大変だな」
「コンタクトは?」
「一度試してみたんですけど、合わないようで。痛くて目が真っ赤になってしまいました」
「そうか」と鈴太郎さんが言ったとき、すでに出来上がった状態の眼鏡が、眼鏡屋さんに届けられた。
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