恋は盲目、愛は永遠
眼鏡屋さんで最終チェックをしてもらった後、私は再び視力を取り戻した。
めがねをかけた私を見た福島さんが、笑いをこらえているのが分かった。
それはそうだろう。
分厚いレンズのめがねをかけた私は、お世辞にも「きれい」とは言えない。
1万歩くらい譲って、「・・・かわいい、かな?」みたいな無難な言葉をかけられれば、まだマシだ。
大抵は、福島さんのようなリアクションをされる。

まして福島さんは、めがねをかけていない私の顔を、先に見ているのだ。
目の大きさが変わるくらいのめがねをかけた顔とのギャップに笑いたくなる気持ちもよく分かる。

でも鈴太郎さんは違った。

鈴太郎さんは、笑いをこらえるわけでもなく、ただじーっと私を見ていた。
私の顔を。
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