恋は盲目、愛は永遠
「夢」で、また魔女だった過去生のことをふと思い出した。
そういえば鈴太郎さんは、レオ王子様みたいな尊大なふるまいがすごく・・・自然だった。

元々鈴太郎さんには威厳がある。
伊集院家の御曹司としての、圧倒的なオーラを感じた。

何と言うか・・・生まれ持った強引さ?
絶対的な俺様、みたいな。
でも鈴太郎さんは自分のことを「私」と言ってたから、絶対的な私・・・いや違う。

絶対的な「この私が」だ!

鈴太郎さんが、「この私が」を出すだけで、その場を制圧するくらいの強引さと尊大さがあるのよね。
思い出した私はクスッと笑った。

でもあの低い声は、鈴太郎さんによく合っていた。
線が細そうだけど、ナヨナヨしてないところも。
目尻の細かい皺が、43歳という年齢相応に見えたところも。

でも、もうあの声で「唯子」と呼ばれることはない。

あ、万が一同名の人が、彼女かお嫁さんになれば・・・。
って私は何考えてるんだろ!!
< 38 / 298 >

この作品をシェア

pagetop