恋は盲目、愛は永遠
案の定、黒塗りの高級車がうちの前に止まっていたことを目撃したご近所さんから、両親や私は、2・3日質問攻めにあった。
私が正直に、鈴太郎さんに壊れためがねを直してもらった上、代金を立て替えてもらったことを言うと、「さすがセレブ!太っ腹よねぇ」「寛大すぎる伊集院家」といったコメントが寄せられた。

両親もそのことをすごく気にしていて、本当は鈴太郎さんに直接お礼を言いたいのだけど、言う術もなく、それで余計な手間をかけさせるのが目に見えているので、空に向かって「ありがとうございました」と言いながら、両手を合わせて拝んでいた。

そう思っていたから、まさか一週間後にまた鈴太郎さんと再会するなんて、私は夢にも思っていなかった。
そしてこれが、鈴太郎さんが用意周到に立てた計画だったということも。
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