恋は盲目、愛は永遠
鈴太郎さんは、ツカツカ歩いて棒立ち状態の私の前まで来ると、私の両方の二の腕に、大きな手をそっと置いた。

「めがねの調子はどうだ?」
「あ・・・あっと、はい、絶好調です」

私の頭の中は、「なぜ鈴太郎さんがここにいるの?」で占められていたけど、鈴太郎さんからの質問には答えることができた。

「私の声が聞けて嬉しいか?」
「えっ!あ・・・はぃ」
「ではまた私に会えて嬉しいか?」
「・・・・・・・はい」

それは偽りのない本心だった。
鈴太郎さんの声がまた聞けて、また会えて、夢みたいだけど嬉しかった。
それが分かった私は、おずおずと微笑んだ。
すると鈴太郎さんは満足気な顔をして、両親のほうへ顔を向けると、「これで証明できただろう」と言った。
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