恋は盲目、愛は永遠
ん?証明・・・・とは?

「社長、また一人先走っちゃいけませんって。唯子ちゃ・・・」
「唯子様と呼べ」

は?唯子「様」??

秘書の福島さんはハァとため息をつくと、「唯子様に最初に言わなきゃいけないっしょ?」と鈴太郎さんに言った。
それでハッとした顔をした鈴太郎さんは、「そうだった・・・すまない」とつぶやくと、私のほうを見た。
鈴太郎さんの両手は、まだ私の二の腕に置かれたままだ。

「大石唯子さん」
「はっ・・・はぃ?」

なんか、ドキドキする。
20も年上の人から、さんづけで呼ばれたこと。
しかもフルネームで!

しかも伊集院鈴太郎さんから!!

私は思わず心臓がある左胸を押さえた。
魔女の過去生以来、私は心臓にかかわる疾患で亡くなってきた。
そしてそれ以来、私の視力は悪いままだ。
なぜかそれらの記憶だけは、「大石唯子」で生まれてきても覚えていた。

だから、鈴太郎さんから「この私と結婚しよう」と言われたとき、私は心臓麻痺で23歳の生涯を閉じることになるかと思うくらい、とても、とても驚いてしまった。
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