恋は盲目、愛は永遠
「美味だな」
「緑が多い間に育てて、吹雪く前に保存用にするんです。乾かしたり漬けたり・・・これは乾かした野菜をそのままスープにしました」
「そうか。初めて味わったものだが気に入った」
「ありがとうございます」

スープを飲み終えた男は、ナプキンで口をぬぐった。
その仕草が上品で、私の疑惑が確信に変わった瞬間でもあった。
ナプキンをテーブルに置いた男は、ひたと私を見据えた。

「そなたの名は」
「・・・ティアと申します」

心臓がドキドキと早鐘を打ったように鳴っていた。
私の考えが間違いじゃなければ、この男は・・・。

「私の名は、ユージーン」

男の名を聞いた私は、両目を見開いてユージーンを見た。
口は自然と「ユージーン」と形作っていた。声に出さずに。

よかった。この人は王族の人ではなかった・・・。
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