恋は盲目、愛は永遠
「私より背が高い人はたくさんいる。そして私より背が低い人も然り」
「鈴太郎さん・・・」
「私よりすごいと呼ばれる人もたくさんいるし、私より金持ちな人だってたくさんいる。私は笑いもすれば泣きもする。私は一番な人間ではない。ただの伊集院鈴太郎。それだけだ」

尊大な態度が様になっているのは、高貴な家柄のせいじゃない。
驕らない姿勢と謙虚な態度を併せ持っているから。
鈴太郎さんは、いつもそれを忘れてないから。

「いつもの強気はどこへ行ったんですか」
「これも私の一部だ。唯子には特別に見せてやった」

よかった。いつもの尊大な言い方に戻ってくれて。
あまりいろいろな面を見せられると、本当に逃げ出せなくなる。
この人から逃れられなくなってしまう。

それは私の人生の終わりを意味している気がして、少し怖くなった。

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