恋は盲目、愛は永遠
お昼はモール内にあるイタリアンレストランへ行った。
やはりお手軽なフードコートは却下ですか・・・。
たこ焼きとか焼きそばとか、鈴太郎さんには似合わないもんね。
と私は思っていたのに、鈴太郎さんが却下した理由は別なところにあった。

「もし私たちの存在を気づかれて注目されれば、唯子がゆっくり食事をすることができなくなる」
「え」
「今ここはシーズンオフだが、世間では今日から三連休と言われているせいか、ここを訪れている人が普段より多い」
「あ」

三連休・・・なのか。
鈴太郎さんの家で暮らし始めてから、日にちや曜日の感覚がなくなってきたせいか、そんなことすっかり忘れていた。

「それに私も食事くらいゆっくり楽しみたい。唯子と一緒に」

まるでそれが一番大事な事柄だといわんばかりの妖艶な微笑み。
そして声音。
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