恋は盲目、愛は永遠
「逃げろ」

昨夜突然レオ様は私の小屋に現れると、それだけ言って帰っていった。
でもその言葉の意味を、私は理解していた。
ここが見つかったのだと。
私に魔女である疑いがかけられたのだと。

俗世を離れて森に住む者は魔女扱いされ、見つかれば火あぶりにされる。
当時魔女は国を脅かす存在として、人々から疎まれ、そして恐れられていた―――。


私を見るレオ様の顔は、「なぜ逃げなかった」と言っていた。
そんなレオ様に微笑んだ私の顔を見た兵士たちが、呪文でも唱えられると思ったのか、剣を抜こうとした。
それをレオ様が手で制すると、兵士たちは動きを止めた。

「おまえを火あぶりの刑に処するため、これから広場へ連行・・・」
「いや。こやつの処置は私がする。ここで」とレオ様は言うと、自らの剣を引き抜いた。

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