恋は盲目、愛は永遠
「それで唯ちゃんはどこへ行くの？伊集院さんは？」
「あの、それは・・・」
「はぐれたの？」
「えっと・・・」

ここで「はい。だから駅まで行きたいんです」と言えばよかったのに。
ウソをつけない自分が、このときばかりは腹立たしかった。

「まさか逃げ出すって言うんじゃないでしょうね」
「そ・・・」
「悪いけど・・・伊集院にはむかうことなんて、私にはできない。自分の身だけじゃない。ヘタすれば私の家族にも制裁下されると思ったら・・・ごめんね唯ちゃん」
「でも逃げ出すってことは、伊集院に何かされたわけ？」
「あっ、それは・・・何もされてません」
「ふーん。あの人、実はすげー趣味嗜好持ってるとか？」
「違います！」

下品な彼の言い方が嫌だった。
鈴太郎さんのことを何も知らないくせに。
そういう言い方をする権利は、この人たちにはない！
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