恋は盲目、愛は永遠
「この私から逃げられると思ったのか?」
「い・・・ぃぇ」

よく通る低い囁き声が耳に響く。
温かな息が唇にかかる。

「心配したぞ」
「・・・ごめんなさい」
「そんなに私にキスしてほしいのか?」
「え、なんで・・・」
「さっきから物ほしそうな唇を私に突き出している」と鈴太郎さんは囁くと、私にキスをした。

抱かれるときにされるキスと同じなのに、今されているキスは少し感覚が違った。
私・・・鈴太郎さんのキスに応えてる・・・?

「そうだ。唯子は私から逃げられない」
「う・・・」
「逃がさない」
「ん・・・」
「唯子は私の大事な妻だ。逃がしはしない」

そう何度も囁く合間に、鈴太郎さんは私にキスをした。
私の舌まで絡み取り、逃がそうとはしなかった。

「逃げるな・・・唯子・・・」
「は、りんたろ・・・んぅ」

「私から逃げないでくれ」と言った鈴太郎さんの声は、私の心にとても切なく響いた。


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