一途な社長の溺愛シンデレラ

「元フィアンセの弟にストーカーをしていると噂が立てば、困るのはあなたの方では?」

「ス、ストーカーですって!? この私が!?」

「しっかり付きまとい行為をしているじゃないですか。これまでの発言や着信・メッセージ履歴、待ち伏せ回数、全部証拠として弁護士に渡す準備はできています」

 事務的に淡々と告げる社長から距離を取るように、彼女は少しずつ後退していた。

 私の胸倉を掴んだときの勢いはすっかり消え失せ、悔しげに社長を睨んでいる。

「兄貴と話がしたいなら、こんなところに来ていないで、直接兄のところへ行ったらどうですか」

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