一途な社長の溺愛シンデレラ

「う、うるさいわね! 言われなくても、こんなところ、二度と来ないわ!」

 踵を返し、あわてたように去っていく彼女をしばらく見送ってから、社長はふうと息をついた。

「社長……あの」

 疲れたように肩を落とした広い背中に、ためらいつつ声をかけた瞬間、社長は振り返った。不機嫌MAXの鬼の形相で。

「なにしてんだよ、お前は!」

 いきなり両方の頬を掴まれ、上下に揺さぶられる。

「あんな喧嘩売るようなマネして、危ないだろ! なにかあったらどうするんだ!」


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