一途な社長の溺愛シンデレラ

「ご、ごめん」

「まったく!」

 大きな手が離されると、私はその場にへたり込みそうになった。

「お、おい!」

 社長が驚いたように私を支える。

「なんだか、力が抜けて……」

 足に力が入らない私を見下ろして、彼はまた吐息をこぼす。それから無人のエントランスを振り返ると、私に視線を戻した。

「とりあえず……うちに寄っていけ」




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