一途な社長の溺愛シンデレラ
「ちょっとだけ、ココナツオイルを垂らしたんだ。美容にもいいらしいぞ。夜だしコーヒーはやめておいたほうがいいだろ?」
こんなふうに、社長はさりげなく私の体を気遣ってくれる。そう思った後で、私は口の中でつぶやいた。
「さりげなく……でもないか」
週に一回部屋の掃除に来てくれたり、食の細い私にどうにか食事をとらせようとしたり、明らかに私の健康のことまで気にしてくれている。
「ねえ、社長」
「ん?」
「私のために、無理して会社をやっているの?」
となりに腰を下ろし同じように窓の外に目を向けていた彼が、はっとしたように私を見た。