一途な社長の溺愛シンデレラ

 麗子さんの言葉は、私の胸に突き刺さったまま、じわりじわりと鈍い痛みを引き起こしていた。

 私を食べさせるためだけに、社長は会社を経営している。

 それが本当なら、彼女の言うとおり、私は疫病神以外の何者でもない。

 彼の黒い瞳がじっと探るように私を見ている。永遠とも思えるような時間だったけれど、実際は一秒もなかった。

「なんだそれ」

 社長は笑みをこぼした。

「ちがうよ。俺は、自分がやりたくてあの会社をやってるんだ。誰のためでもない」

 すっと伸びてきた手が、私の髪を優しく摘む。

「麗子さんが悔し紛れに言った言葉なんて、気にしなくていい」

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