一途な社長の溺愛シンデレラ

 頭を埋め尽くすイメージが消え去ってなお、思考がまとまらない。

 冷静になるどころか、気持ちが高ぶっていく。


 されるがままになっていると、彼はゆっくり体を離した。

 固まっている私を見て、小さく笑う。

「見たことのない顔してる。お前でも、赤くなることがあるんだな」

 忘れていた呼吸を取り戻すように息をしている私に、彼は顔を寄せた。

「今日は言わないのか?」

 熱っぽい視線に射抜かれたまま、動けない。

「抱く? って」 

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