一途な社長の溺愛シンデレラ

 耳が熱くなるのを感じた。

 アルコールの酔いが今になって一気に回ってきたみたいに、体中が熱くなる。

「い、言わない」

 社長を押し返しながら、顔を逸らした。

 今そんなことを尋ねたら、社長は一瞬のためらいもなくうなずきそうな気がした。

「なんだ、残念」

 そう言うと、彼は優しい顔で笑って、私の頭に軽く唇を落とした。

「それじゃ、俺のタガが外れる前に、家まで送っていかないとな」





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