一途な社長の溺愛シンデレラ

「複数持ってるアカウントのうちの、ネカマ用のアカなんだよ。最初に言ったはずだぞ」

《ネットの人間を、簡単に信用してはいけない――from@haruka》

 あまりの衝撃に、口がきけなくなった。

 驚きすぎて、事態がうまく飲み込めない。

 リンクトに複数の名前で登録し、ときには性別を偽って、リアルの友達用や、西村さんみたいにオンラインゲーム仲間用というふうに使い分けている人がいることは知っていた。

 けれど、ハルカがそうだったなんて思いもしなかった。

 今までのハルカとのやりとりが、一気に脳裏を駆けめぐる。

 作品をアップしたときに必ずくれる感想、日常のささいな会話。ハルカの言うことはいつも的確で、彼女の言葉に助けられたことは一度や二度じゃない。

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