一途な社長の溺愛シンデレラ
それは十年前のことだった。
高校三年生だった結城遼介は、毎日のように絵画制作に励みながらも進路について悩んでいた。
幼稚園のときから通っている有名私立は、エスカレーター式で大学に進むことができる。しかしそれでは制作にかけられる時間は減ってしまう。
絵について学べる専門性の高い学校へ行くべきではないのか。けれど、果たして自分には本当に才能があるのか。
両親は放任主義だった。好きなことをなんでもやってみればいいというスタンスで、かつ、不幸なことに遼介はなんでもそこそここなしてしまう器用な人間だった。
選べる道がいくつもあるからこそ、自分が本当に進むべき道がどれなのか選びきれず、苦悩する毎日。