一途な社長の溺愛シンデレラ

「とりあえず、家で社長はやめろ。名前で呼べよ」

「……結城さん?」

「なんでそうなる」

「……遼介」

 私が言い直すと、彼はふっと目を細めた。

 頭とあごに手を添えられたと思ったら、顔が下りてきて、唇が重なる。

 不意打ちの感触に、体がびくりと跳ねた。

 わずかに顔の角度を変えた彼の唇は、垂直というよりも上下逆さまに近い形で私の唇と合わさっている。

 なぞるような、甘噛みするようなキスは、黙って受けているといつまでも終わらない。

 どんどんエスカレートして、舌を差し込もうとしたり、服の下から手を入れてきたりする。

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