一途な社長の溺愛シンデレラ
まるで親戚の自慢でもするみたいに得意げに言って、西村さんは誰にともなくうなずく。
「俺と1コしか違わないのに、ほんとにすごいよなぁ」
あの若さで社長だし、人脈もやたらと広いし、ただものではないと思っていたけれど、どうやら結城遼介は、私とは住む世界がちがう人間だったらしい。
そう思ったとたん、胸が重くなった気がした。
ホットソイミルクを一週間飲み続けても一向に育つ気配のない胸に、手を当てる。
慣れないものを飲んだから、胸焼け?
それとも、安酒のせいだろうか。
カランと氷を揺らして何杯目かのレモンサワーに口をつけていると、とりの唐揚げに箸を伸ばしながら絵里奈が私を見た。
「そういえば、沙良ちゃんはどういう経緯であの会社に入ったの?」
「……」