一途な社長の溺愛シンデレラ
「やっぱり意味がよく……」
「いいから、さっさと着てこい」
抱えきれないくらいの服と一緒に、洗面所に押し込まれ、勢いよく戸が閉じられる。
両手いっぱいに抱えた服の山からいくつか落ちて床に散らばった。その拍子に間に挟まっていたらしい薄いリーフレットのようなものがすべり落ちる。
「そこにコーディネートの見本表が入ってただろ。それを参考にして、なんでもいいからとりあえず着てみろ」
戸の向こうから声が聞こえて、私はリーフレットを拾い上げた。いろんな格好をした小柄な女性の写真がファッション雑誌のように並んでいる。
「着てみろって、言われても」
私はひとまず目についた服の包装を解いた。
清楚なシャツブラウスに、襟ぐりのあいた上品そうなワンピース、薄手のニットにパンツ、それから……。
一番下に紛れていたダークブルーの服を見てぎょっとしてしまった。
ひとまずそれは置いておいて、無難なニットとパンツを身に着ける。
「おお、OLっぽい」
洗面所から出ると、社長は楽しそうに言った。