一途な社長の溺愛シンデレラ

「やっぱり思ったとおりだな。よし、どんどん着てこい」

 言われるまま、私はひたすら服を着替えて社長に披露した。

 短い廊下に出るたび、姿見に見慣れない自分の姿が映って、心の中で驚く。

 レインボータワーに勤める女性たちが着ているような、つまりは自分には到底似合いそうもない服を身に着けているのに、全然おかしく見えないのは、絵里奈が髪や顔をいじってくれたおかげだろうか。

 ウエストで絞られたクリムゾンレッドのフレアワンピースを着たときは、足元がスース―して落ち着かなかった。

 スカートを穿くのは2年ぶりだ。

 ためらいながら廊下に出て部屋のほうに体を向けると、社長は満足そうにうなずいた。

「うん。すごく似合ってるよ」

「そう、かな」

「言っただろ、お前はどんな格好でも似合う。チビだけど、顔が小さいし手足が長いからスタイルがよく見えるんだな、きっと」

 そんなことを言いながら、社長は私のまわりをぐるっと一周した。

「これでラストだったか?」

「まだ、もう一着あった」

「そうか。それじゃそれも着てこい」

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