一途な社長の溺愛シンデレラ
「さっき話した新井さんとの付き合いもあって、自分の服を何度か買ったんだよ。そのときにお前に似合いそうなヤツもついでに選んで、ストックしてもらってた。いつか渡そうと思って」
「え……」
「うちの会社はおまえの才能のおかげでもってるようなものだ。だから特別ボーナスだよ。だまって受け取れ」
「ボーナスって……」
私は床にきちんと畳んで重ねられた紙袋の山を見下ろした。
オフホワイトの厚紙に《STYLIS》(スティリス)とスタイリッシュなロゴがデザインされ、ショップバッグからして高級そうだ。
社長におんぶに抱っこな私でも、さすがにこれはしてもらいすぎじゃないだろうか。
ためらっている私にダメ押しするように、社長はこちらを見た。
「お前、給料のほとんどを仕送りしてるだろ。たまには自分も贅沢しろよ」
「……それなら、服の代金は私が払うよ」
「だから、これは俺からの贈り物だって。いつも頑張ってるお前に、感謝のしるしだよ。頼むから、受け取ってくれ」
「……」
そんなふうに言われてしまったら、いやだとは言えなくなる。