一途な社長の溺愛シンデレラ

「とにかく、ものすごく似合ってる!だから、俺に近づくな」

「……接続詞がおかしいよ」

 私は足を止めなかった。

 まっすぐ、ベッドに向かって歩く。

「おい、こっち来るなって」

 慌てたように顔を逸らす社長の耳は、わずかに紅潮している。

 私は彼の前に立って目を落とした。といっても、目線はそんなに変わらない。

 私の背が低いのか、それとも社長が高いのか。

 きっとその両方なのだろう。

 正面に立ちふさがる私を、かたくなに見ようとしない社長の頬に、そっと手を伸ばす。

 指先が触れたとたん、整った顔が弾かれたように振り向いた。

 まっすぐに目が合い、社長の黒い瞳が、私を映して揺れる。


「抱きたい?」

 はっと息をのむ彫りの深い顔を、黙って見つめた。

 目の揺れや眉の動きを、表情のささいな変化を見逃さないように、私は社長に視線をぶつける。


「抱く?」

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