今宵、エリート将校とかりそめの契りを
初冬の朝。日の出は遅い。
遠くの東の空が朝焼けに染まり始めた頃、窓の外で囀る鳥たちが、総士を覚醒に導いた。
「ん……」
瞼の裏がぼんやりと白んでいる。
小さな唸り声を上げ、無意識に右腕を持ち上げようとして、激痛が走った。
思わず呻きそうになり、総士はグッと声をのむ。
同時に、重い瞼を開いた。
開けたばかりで靄のかかる視界を明瞭にしようとして、一度強く目を閉じる。
再び開くと、先ほどよりも辺りの様子がはっきり見えた。
見上げた天井は、違和感なく見慣れたもの。
自分の寝室であることに、総士はホッと息をついた。
(この痛みは……そうか。俺は昨夜……)
眠りに落ちる前の記憶は曖昧だ。
しかし、右肩から上腕にかけてジンジンとせり上がる痛みが、総士に昨夜帰宅してからの出来事を思い出させてくれる。
痛み止めはとっくに切れているが、眠りを妨げるほどの痛みではない。
この手の怪我をすると、痛みにうなされ全身に汗を掻き、不快感で目覚めることも多々あるのに、今朝、総士はすっきりと朝を迎えられた。
左肘をベッドについて支えにして、右腕を動かさぬように上体を起こす。
彼が身に纏っている夜着は、昨夜医師の手当てを受けた後、忠臣の手を借りて袖を通した浴衣だ。
遠くの東の空が朝焼けに染まり始めた頃、窓の外で囀る鳥たちが、総士を覚醒に導いた。
「ん……」
瞼の裏がぼんやりと白んでいる。
小さな唸り声を上げ、無意識に右腕を持ち上げようとして、激痛が走った。
思わず呻きそうになり、総士はグッと声をのむ。
同時に、重い瞼を開いた。
開けたばかりで靄のかかる視界を明瞭にしようとして、一度強く目を閉じる。
再び開くと、先ほどよりも辺りの様子がはっきり見えた。
見上げた天井は、違和感なく見慣れたもの。
自分の寝室であることに、総士はホッと息をついた。
(この痛みは……そうか。俺は昨夜……)
眠りに落ちる前の記憶は曖昧だ。
しかし、右肩から上腕にかけてジンジンとせり上がる痛みが、総士に昨夜帰宅してからの出来事を思い出させてくれる。
痛み止めはとっくに切れているが、眠りを妨げるほどの痛みではない。
この手の怪我をすると、痛みにうなされ全身に汗を掻き、不快感で目覚めることも多々あるのに、今朝、総士はすっきりと朝を迎えられた。
左肘をベッドについて支えにして、右腕を動かさぬように上体を起こす。
彼が身に纏っている夜着は、昨夜医師の手当てを受けた後、忠臣の手を借りて袖を通した浴衣だ。