今宵、エリート将校とかりそめの契りを
先ほどと変わらず穏やかな寝息を漏らす琴の唇を、軽く親指の腹で押さえつけ――。
「……!!」
一瞬にして、我に返った。
「お、俺は」
いったい、なにをした……!?
ドクンと胸が大きく跳ね上がると同時に、一気に顔に血が上る。
自分でも赤く火照るのを感じ、声をあげそうになって慌てて口を手で覆った。
勢いよく顔を背け、琴の後ろを大股で通り抜ける。
そのまま、一度も振り返ることなく寝室のドアを開け、ほとんど逃げるように続き間に飛び出した。
「っ……なにやってんだ、俺」
背中で押すようにしてドアを閉め、総士は顔を伏せて溜め息をついた。
サラッと揺れる前髪を生え際から掻き上げ、ギュッと握りしめた、その時。
「なにやったんですか?」
「!?」
質問を投げかけられたことにギョッとして、総士は勢いよく顔を上げた。
いつからそこにいたのか、既にしっかりとスーツを纏った忠臣が、ソファに座り足を組み上げていた。
「た、忠臣っ!?」
「おはようございます、総士様。そのご様子ですと、奥方様は一晩しっかり看病してくださったようで」
総士の声は無様にひっくり返った。
「……!!」
一瞬にして、我に返った。
「お、俺は」
いったい、なにをした……!?
ドクンと胸が大きく跳ね上がると同時に、一気に顔に血が上る。
自分でも赤く火照るのを感じ、声をあげそうになって慌てて口を手で覆った。
勢いよく顔を背け、琴の後ろを大股で通り抜ける。
そのまま、一度も振り返ることなく寝室のドアを開け、ほとんど逃げるように続き間に飛び出した。
「っ……なにやってんだ、俺」
背中で押すようにしてドアを閉め、総士は顔を伏せて溜め息をついた。
サラッと揺れる前髪を生え際から掻き上げ、ギュッと握りしめた、その時。
「なにやったんですか?」
「!?」
質問を投げかけられたことにギョッとして、総士は勢いよく顔を上げた。
いつからそこにいたのか、既にしっかりとスーツを纏った忠臣が、ソファに座り足を組み上げていた。
「た、忠臣っ!?」
「おはようございます、総士様。そのご様子ですと、奥方様は一晩しっかり看病してくださったようで」
総士の声は無様にひっくり返った。