今宵、エリート将校とかりそめの契りを
「ならば、忠臣の言うように、遊郭で素性も知れぬ男たちに抱かれる方が良かったと言うのか!?」
琴を黙らせようとして、総士は声を張り上げた。
初めて聞く彼の怒声に、琴はギクリと身を竦ませる。
自分を見上げる琴の瞳が、激しい怯えで震えるのを見て、総士はハッと息をのんだ。
そして、目を逸らしながら、「怒鳴ってすまない」と一言呟く。
それでも琴は身を縮めて、カタカタと小刻みに震えている。
大きく顔を背け、総士を視界から追い出そうとしていた。
そんな彼女に、総士は小さな溜め息をつく。
「琴、はっきり言っておく。仮初めだろうが、結婚は結婚。ベッドを共にするのは、俺の妻としてお前の義務だと思え」
「っ……」
「だが、俺もお前に約束する。俺が抱く女は、生涯通じてお前が最後。お前を俺以外の男に触れさせはしない」
頭上から降ってくる総士の言葉にドキッとして、琴はおずおずと天井に顔を向けた。
ジッと見下ろしている総士の視線と、顔を上げた琴の視線が宙で交わる。
彼の濃い茶色の瞳は真摯な光を帯びていて、ぶれることはない。
琴は大きく胸を喘がせ、呼吸を整えた。
先ほどよりも少し心を落ち着かせて、自分に大きく影を落とす総士を見つめる。
琴を黙らせようとして、総士は声を張り上げた。
初めて聞く彼の怒声に、琴はギクリと身を竦ませる。
自分を見上げる琴の瞳が、激しい怯えで震えるのを見て、総士はハッと息をのんだ。
そして、目を逸らしながら、「怒鳴ってすまない」と一言呟く。
それでも琴は身を縮めて、カタカタと小刻みに震えている。
大きく顔を背け、総士を視界から追い出そうとしていた。
そんな彼女に、総士は小さな溜め息をつく。
「琴、はっきり言っておく。仮初めだろうが、結婚は結婚。ベッドを共にするのは、俺の妻としてお前の義務だと思え」
「っ……」
「だが、俺もお前に約束する。俺が抱く女は、生涯通じてお前が最後。お前を俺以外の男に触れさせはしない」
頭上から降ってくる総士の言葉にドキッとして、琴はおずおずと天井に顔を向けた。
ジッと見下ろしている総士の視線と、顔を上げた琴の視線が宙で交わる。
彼の濃い茶色の瞳は真摯な光を帯びていて、ぶれることはない。
琴は大きく胸を喘がせ、呼吸を整えた。
先ほどよりも少し心を落ち着かせて、自分に大きく影を落とす総士を見つめる。