きみに初恋メランコリー
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そして、海に出かける当日。
結局互いに友達が捕まらず、俺と花音ちゃんは、ふたりだけで海へと行くことになった。
ま、俺はともかく……今でも後々にでも変に噂になったりして、花音ちゃん嫌な思いしたり面倒なことになったりしなきゃいいんだけど。
自室で着替えながらベッドボードにある目覚まし時計を確認すると、時刻は午前8時前。
……とりあえず約束の13時までは、家でのんびりしてるか。
そんなことを思いながらも俺は朝食を食べるため、自室のある2階から1階へと下りた。
そして、ダイニングへ続くドアを開けたところで──ピタリと、その動きを止める。
眉間には、意図せずに深いシワが刻まれた。
「おっ、グッモーニンそーちゃん。めずらしく早起きじゃん」
「……朝っぱらから、何の用だよ」
「んもー、寝起き悪いの相変わらずだなぁ」
「こら奏、あんたまどかちゃんに対するその口の悪さどーにかしなさい」
まどかと母さんの小言はスルーして、俺はまどかの斜め向かいの椅子を引いて座った。
テーブルに置いてあるバスケットから、母さんお気に入りのパン屋で買ってきたと思われる、バターロールを手に取る。
俺の目の前にハムエッグを置きながら、母さんが口を開いた。