きみに初恋メランコリー
「えっと、たぶん学年はひとつ上で、たぶん合コンにはあまり乗り気じゃなかったみたいで」

「うん」

「日焼けしてて、たぶんスポーツマンっぽくて」

「……うん」

「えと、それから、たぶん、やさしい人……?」



結局疑問符で締めたわたしの話を聞いて、しおちゃんは呆れたような顔をする。

その表情に逆らうことなく、深いため息をついた。



「花音、あのねぇ……そんな『たぶん』ばっかりの情報で、ほんとにその人のこと気にしてたの?」

「う……」

「ちょっとでも気になったなら、今度からはちゃんとリサーチしなさい」



うう、だって、あんなふうに気になる人ができたのが初めてだったから……。

どうしたらいいのか、わからなかったんだよ。



「つ、次の機会は、がんばります……」

「わかればよし」



説教を終えたしおちゃんが、教室の前方に貼り出した時間割を確認する。

それから、思い出したように口を開いた。
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