きみに初恋メランコリー
「そ、すけ、せんぱ……──!」



深いキスをしたまま、床に横たわっている花音ちゃんを抱き上げる。ベッドの上にそっと、その体を落とした。

ギシ、とスプリングを軋ませながら彼女に再びまたがり、右手の指先で、細い腰を撫でる。

すると、それまでたいした抵抗を見せていなかった花音ちゃんの手が、反射的に俺のそれを掴んだ。

ようやくくちびるを離して彼女を見下ろせば、困惑したような、怯えたような瞳と、かち合った。



「せんぱ……」

「……結構大胆だよね、花音ちゃん。こうなるのわかってて、俺の家に来たいなんて言ったの?」

「……!」



嘲るような俺の言葉に、その大きな瞳に浮かんでいた涙が、ポロリと一粒流れた。

それを舌で舐めとって、俺は微笑む。



「ゆっくりやさしくするのと、がっついて激しくするの。花音ちゃんは、どっちがいいのかな?」

「、せ──」



次の言葉は聞かずに、再び深く、くちびるを合わせた。

のどの奥に消えたくぐもった声を飲み込んで、その吐息さえも奪う。

そしてスカートから伸びた白い脚に、自分の手を這わせた。
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