きみに初恋メランコリー
「ふふん、見てよこれー」
「なんだそれ……チケット?」
したり顔でまどかが目の前に広げて見せたのは、ここから電車で30分ほど行ったところにある、遊園地の割引チケットだった。
それを4枚、ヒラヒラさせながら、彼女がにこやかに笑う。
「バイト先でもらったの。せっかくだからさあ、あたしと鷹人とあんたと花音ちゃんの4人で、今度の日曜にでも遊び行かない?」
「は……」
「そーちゃん、今週の日曜日は部活休みなんでしょ? おばさんもこの話したらお弁当作るって張り切ってたわよ」
ぐっと、ベッドについた手を握りしめる。
視線は床に固定したまま、俺は絞り出すように、口を開いた。
「……行かない」
「は? え、もしかして他に用事あった?」
嘘をつく気にもならなくて黙っていると、俺を見下ろすまどかが、怪訝そうに眉を寄せる。
「なんだそれ……チケット?」
したり顔でまどかが目の前に広げて見せたのは、ここから電車で30分ほど行ったところにある、遊園地の割引チケットだった。
それを4枚、ヒラヒラさせながら、彼女がにこやかに笑う。
「バイト先でもらったの。せっかくだからさあ、あたしと鷹人とあんたと花音ちゃんの4人で、今度の日曜にでも遊び行かない?」
「は……」
「そーちゃん、今週の日曜日は部活休みなんでしょ? おばさんもこの話したらお弁当作るって張り切ってたわよ」
ぐっと、ベッドについた手を握りしめる。
視線は床に固定したまま、俺は絞り出すように、口を開いた。
「……行かない」
「は? え、もしかして他に用事あった?」
嘘をつく気にもならなくて黙っていると、俺を見下ろすまどかが、怪訝そうに眉を寄せる。