きみに初恋メランコリー
……もう、どうでもいい。

ままごとみたいな、“姉”と“弟”の、関係なんか。



「……その、別れた理由が」

「え?」

「ガキの頃からずっと、俺にはすきな奴がいたからだって言ったら、どうする?」



再び、まどかが目を見開いた。

俺は警戒心のないその左手首を掴んで、思い切り引き寄せる。

ぼすん、と弾みで枕が跳ねて。

俺はベッドに、まどかを押し倒した。



「……奏佑、」

「アホだよなまどか、いくら俺のこと弟だと思ってても……実際は、こんなに力の差があるただの“男”と“女”なのに」



彼女の両手首を押さえつける手に力を込めると、さらにベッドが軋む。

驚きの表情で俺を見つめるまどかを見下ろしながら、嘲るように口元を歪めた。



「いつか俺に、こうやって犯されるかもって、わからなかった?」



その言葉が、終わるのと同時。

左手だけは解放して、彼女の太ももに、手を這わす。

ピク、と反応したまどかは、一瞬、掴まれたままの自分の右手に視線を向けた。


そして──……。
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