きみに初恋メランコリー
「はあ……」
今日もまた、花音ちゃんと連絡をとれないまま放課後が来てしまった。
しかも今日は、さっき顧問と少しミーティングをしただけで、部活動がない日。もしあのまま彼女と付き合っていたら、間違いなく、一緒に帰っていただろう。
いや、もしかしたら帰るだけじゃなくて、デートもしていたかもしれない。
そう考えるとますます気分が落ちてきて、俺は肩を落としながら、ひとり廊下を歩いた。
「……あ」
すると不意に、前方からそんな声が耳に届く。
俺は思わず、うつむき気味だった顔を上げた。
「あ」
そして次の瞬間、つい自分も、先ほど聞こえた声と同じような言葉を漏らしてしまう。
その理由、は──。
「……どーも、センパイ」
自分の斜め向かいに立っていた人物が、以前、花音ちゃんをめぐって、軽くやり合ってしまった後輩だったからだ。
今日もまた、花音ちゃんと連絡をとれないまま放課後が来てしまった。
しかも今日は、さっき顧問と少しミーティングをしただけで、部活動がない日。もしあのまま彼女と付き合っていたら、間違いなく、一緒に帰っていただろう。
いや、もしかしたら帰るだけじゃなくて、デートもしていたかもしれない。
そう考えるとますます気分が落ちてきて、俺は肩を落としながら、ひとり廊下を歩いた。
「……あ」
すると不意に、前方からそんな声が耳に届く。
俺は思わず、うつむき気味だった顔を上げた。
「あ」
そして次の瞬間、つい自分も、先ほど聞こえた声と同じような言葉を漏らしてしまう。
その理由、は──。
「……どーも、センパイ」
自分の斜め向かいに立っていた人物が、以前、花音ちゃんをめぐって、軽くやり合ってしまった後輩だったからだ。